抑制時の注意点
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は抑制時の注意点について解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
抑制は、医師の指示のもと必要最小限に行う。
実施に際しては患児と家族に必要性を十分に説明することが大切である。
患児の状態に応じて、毎日カンファレンスを開き、速やかに抑制を解除する努力が最も重要である。
抑制の目的
● 処置・検査・治療などを安全に施行するために、身体の一部、あるいは全身の運動を制限する。
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抑制の留意点
- 1抑制は、身体的・精神的苦痛を伴う処置であるため、最小限にとどめる。
- 2抑制中は、遊びの工夫や声かけなどを十分に行い、精神的安定を図るように努める。
- 3医師の指示に基づいて実施し、抑制の必要性については適切に評価する。
- 4患児・家族に十分に説明し、同意を得る。
- 5身体抑制中の患児の状態・反応を観察する。
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抑制時の注意点
抑制は必要最小限にとどめることが大切
「小児看護領域で特に留意すべき子どもの権利と必要な看護行為」(日本看護協会:小児看護領域の看護業務基準,1999)では、子どもが抑制や拘束をされずに医療を受ける権利が保障されている。
さらに、やむを得ず抑制する際は説明を行い、必要最小限にとどめることが明記されている。
小児看護領域で特に留意すべき子どもの権利と必要な看護行為(抜粋)
〔抑制と拘束〕
①子どもは抑制や拘束をされることなく、安全に治療や看護を受ける権利がある。
②子どもの安全のために、一時的にやむを得ず身体の抑制などの拘束を行う場合は、子どもの理解の程度に応じて十分に説明する。
あるいは、保護者に対しても十分に説明を行う。その拘束は、必要最小限にとどめ、子どもの状態に応じて抑制を取り除くよう努力をしなければならない。
抑制時の観察ポイントについては表1のとおり。
表1 抑制時の観察ポイント
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ