頭側挙上の際の配慮点

『写真でわかる看護技術 日常ケア場面でのポジショニング』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は頭側挙上の際の配慮点について解説します。

 

栁井幸恵
綜合病院山口赤十字病院/皮膚・排泄ケア認定看護師

江村真弓
綜合病院山口赤十字病院/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

頭側挙上にあたっては、ベッドのリクライニングポイントを確認し(図1)、患者に適切な位置に臥床してもらい、足上げ、背上げを開始する必要がある(図2図3)。
 

図1 患者の屈曲点をベッドのリクライニングポイントに合わせる。

患者の屈曲点をベッドのリクライニングポイントに合わせる。

天板が3パーツと4パーツの場合

 

図2 下肢側を10~15度挙上させる。

下肢側を10~15度挙上させる。

図3 頭側を目的の角度まで挙上させる(このときは30度)。

頭側を目的の角度まで挙上させる。

 

患者の体格によっては下肢の挙上ポイントが合わず、適切な位置で下肢が屈曲せず、伸展位になる場合がある。

 

下肢が伸展位のまま背上げを行うと、背上げの際に身体が尾側へずれ、褥瘡発生の原因になるとともに、余計な筋緊張がかかる。

 

背上げを行ったあとは、圧抜きを行う(図4)。

 

図4 上体から下体にかけて“圧抜き”を行う。寝衣を整える。

上体から下体にかけて“圧抜き”を行い、寝衣を整える。

 

下肢の屈曲点が合わない場合は、ピロー等で大腿部を挙上し、下肢を伸展位ではなく、軽度屈曲位に保つようにする(図5)。

 

図5 下肢のリクライニングポイントが合わない場合は下肢側のベッドを下げ、ピローで調整する。

下肢のリクライニングポイントが合わない場合の処置

 

 


 

本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『写真でわかる看護技術 日常ケア場面でのポジショニング』 編著/田中マキ子/2014年8月刊行/ 照林社

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