急変時、医師がたくさん来て、誰の指示を受ければいいかわからない。どうすればいい?
『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は急変時の指示の一元化について解説します。
山中雄一
日本赤十字社大阪赤十字病院 救命救急センター 看護師長/救急看護認定看護師/特定看護師
急変時、医師がたくさん来て、誰の指示を受ければいいかわからない。どうすればいい?
誰が「適切なリーダーシップを発揮できるか」を見きわめ、指示を一元化してもらうよう、依頼しましょう。
皆さんの施設では、患者の急変時、どのように対応していますか?
コードブルーやスタットコールを示す隠語で医療者を急変現場に招集する施設や、院内救急対応システム(RRS:ラピッドレスポンスシステム)を立ち上げて特定の救急対応チームを招集する施設もあるでしょう。
RRSでは、チームのなかでリーダーシップをとる医師が必ず存在するため、指示受けで混乱することは、まず、ありません。
指示を一元化してもらうには
しかし、RRSを導入していない施設では、急変コールがかかると、多くの医師が現場に駆けつけます。すると、それぞれの医師から「気管挿管するから準備して」「静脈輸液路確保して」「ガス(動脈血液ガス分析)採るから」など、さまざまな指示が飛び交うことになります。そうなると、医療事故のもととなりかねません。
そのようなとき、筆者は、招集した医師のなかから、リーダーシップを発揮できる医師を探し、「リーダーは◯◯先生でいいですか?」と確認するようにしています。すると、たいていの場合、「いいよ」と返事が返ってくるので、「では、指示出しは、◯◯先生から一元化してください」とお願いします。これで、たいていの場合は、うまくいくはずです。
誰がリーダーシップを発揮できるかわからない場合は、大きな声で「誰がリーダーをしますか?」と聴いてみるのも、1つの手です。
[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社