経験の浅いスタッフが、少なくとも「リーダーに報告できる」ようにするには、どう指導する?
『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は経験の浅いスタッフへの報告に関する指導について解説します。
髙西弘美
高槻病院 看護部/救急看護認定看護師
経験の浅いスタッフが、少なくとも「リーダーに報告できる」ようにするには、どう指導する?
一度の指導では、身につきません。日ごろの報告も、急変時の報告と同じスタイルで訓練・指導するとよいでしょう。
緊急時、焦りから、状況をダラダラ話し続けてしまうのは、新人看護師だけではありません。しかし、その結果、聞き手は「何が言いたいの?」となってしまいます。
日ごろからSBARで報告
報告を受けるリーダー看護師が、まず知りたいことは、起こっている状況です。そのため、報告者は相手が一番知りたいこと、すなわち結果から伝えることが重要です。
伝えたい相手に、わかりやすく伝えるスキルが、ドクターコールによく使われる SBAR(エスバー[I‐SBAR‐C])です(くわしくは「うまく伝わる『報告』『連絡』」) 。緊急時に的確に報告できるように、日ごろの報告の際から、SBARを使って訓練・指導しておくことが、最も有用です(表1)。
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報告しやすい環境づくり
「先輩が忙しそうで声をかけにくい」「こんなことを報告したら怒られるかも…」など、新人看護師が困惑する場面もあります。
報告は、報告する側と受ける側との相互作用で成り立ちます。例えば、作業中だったら手を止めて、相手の目を見て相づちをうちましょう。また、相手が話している途中で否定せず、相手の言葉を聴いて受け止めてから返答しましょう。聴く姿勢と、相手を尊重した対話を重んじると、話しやすい雰囲気ができます。
よいコミュニケーションからは多くの情報が集まり、患者の安全やよい看護に結びつきます。報告しやすい環境づくりはリーダー看護師の必須スキルです。
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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社