2人の患者が同時に急変し、救急カートの奪い合いに…。こんなとき、どうする?

『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は急変が重なった際の救急カートの使用について解説します。

 

藤永純一
元・大阪府三島救命救急センター 看護部 救急外来主任/救急看護認定看護師

 

2人の患者が同時に急変し、救急カートの奪い合いに…。こんなとき、どうする?

 

可能なら他部署から借用します。難しければ、緊急度の高い患者に救急カートを優先し、もう一方の患者が使う物品はトレイなどで運搬します。

 

 

急変が重なったときの対応

1 他部署に応援要請し、救急カートも依頼する

同じ病棟で急変が重なり、対応が困難になっている場合は、他部署に応援を要請します。その際、可能であれば、救急カートも借用します。

 

救急カートを借りた場合は、貸した部署での急変に備え、必要最小限の時間で返却してください。

 

部署ごとに救急カートの薬剤や物品が違う病院があるかもしれません。しかし、応援体制や、医師が複数の病棟にかかわることを考えると、院内の救急カートの内容は、できるだけ一緒になるように調整しておく必要があるでしょう。

 

2 救急カート1台で対応する場合は、優先順位を考える

急変時、救急カート内のすべての薬剤・物品を使用することは、ほとんどありません。そのため、救急カート1台で対応しなければならない場合は、どちらの患者が救急カート使用の優先順位が高いかを考えます。

 

急変対応の優先順位は、重症度より緊急度です。つまり、緊急性の高さによって判断することになります。

 

優先順位を決めたら、もう一方の急変患者への対応には、救急カートから必要と考える物を取り出し、トレイなどに入れて持っていくのもよいでしょう。そのためにも、救急カート内の薬剤や物品をしっかり把握しておくことが重要です(図1)。

 

図1 救急カートの例

救急カートの例

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社

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