急変した患者の家族への連絡。どう伝えれば、落ち着いて理解してもらえる?

『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は急変した患者の家族への連絡について解説します。

 

坂本直美
山口県済生会下関総合病院 消化器・呼吸器科病棟 副看護師長/救急看護認定看護師

 

急変した患者の家族への連絡。どう伝えれば、落ち着いて理解してもらえる?

 

落ち着いて、必要なことだけを簡潔に伝えます。
家族と信頼関係が築けているスタッフが連絡するのが望ましいです。

 

 

まずは自分が落ち着くこと

患者が急変し、生命に危険がある場合、適切な蘇生処置を行うと同時に、落ち着いて患者のキーパーソン(主として家族)に連絡しなければなりません。

 

家族は、患者に関する不安でいっぱいの状況です。そんななか、あわてた口調の看護師から連絡を受けたら、よりいっそう不安が募ることでしょう。

 

連絡している自分が落ち着くためにも、まず一呼吸置いてから、「夜分遅く申し訳ありません」「お忙しいところをすみません」など、一言添えて話しはじめることが大切です。また、早口にならないように、ゆっくりとした口調で話すよう心がけましょう。

 

できれば、家族への連絡は、リーダー看護師や受け持ち看護師など、日ごろから、患者・家族としっかりかかわって信頼関係が築けており、患者の病状や経過を把握している看護師が行うのが理想です。

 

 

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説明のポイント

1 状況を把握し、簡潔に説明する

「どこまでの治療を家族が望んでいるのか」を正確に把握してから、患者のキーパーソンに連絡する必要があります。

 

詳しい病状は、来院後、医師が説明するため、電話で長々と説明しないようにしましょう。

 

ただし、ただちに来院してもらいたい場合や、家族があまり状況を理解できていないような場合には、「呼吸心臓が止まりかけている」など、具体的に説明する必要があります。

 

2 到着時間を確認し、気遣いの一言を添える

到着予定時刻を確認しておき、医師に報告することも大切です。

 

また、家族がこの連絡を受けて、来院途中にあわてて事故を起こさないようにするため、電話の最後に、「お気をつけてお越しください」など一言添えることも忘れてはいけません。

 

3 到着後は待たせない

家族が到着したら、待たせることなく、すぐに対応しましょう。

 

多くの場合、待機場所を提供し、治療・処置が終わるまで待ってもらいます。場合によっては、病室に案内し、治療している様子を見てもらってもよいでしょう。

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社

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