太田母斑|色素異常②

『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』(南江堂)より転載。
今回は太田母斑について解説します。

光井俊人
関西医科大学附属病院形成外科学講座

 

 

Minimum Essentials

1真皮にメラノサイトが増生している状態である。

2三叉神経第1および2枝支配領域にみられるスレート(青灰)色斑であり、通常は片側性である。

3Qスイッチレーザー療法が第一治療である(ルビー、Nd:YAG、アレキサンドライトの3種類のレーザーが有効)。

4Qスイッチレーザーを約3~6ヵ月の間隔をあけて色調が消退するまで照射する。

 

太田母斑とは

定義・概念

顔面に発症する自然消退傾向のない淡青色ないし褐青色斑で、瞼裂を中心に眼瞼、頰骨部、側額部に生ずる。約半数に強膜、光彩、眼底の色素沈着眼球メラノーシス)をみる。

 

原因・病態

真皮にメラノサイトが増生している状態である。

 

 

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診断へのアプローチ

臨床症状・臨床所見

太田母斑とは、生来、もしくは思春期に発症する自然消退傾向のない淡青色ないし褐青色斑で、おもに三叉神経第1および2枝支配領域に片側性に生じる色素斑である(図1)。

 

図1太田母斑

太田母斑

 

約半数に眼球メラノーシスを伴い、鼓膜や粘膜、咽頭、口蓋部にも色素沈着を生じることがある。

 

検査

臨床所見により診断を下すことはさほど困難ではない。病理組織像では、真皮のメラノサイトの増生を認める。

 

 

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治療ならびに看護の役割

治療

おもな治療法

Qスイッチレーザー療法が第一の治療である(ルビー、Nd:YAG、アレキサンドライトの3種類とも有効である)。約3〜6ヵ月の間隔をあけて、色調が消退するまで照射する。

 

合併症とその治療法

レーザー照射による水疱形成が起こる場合があり、軟膏塗布による治療を行う。

 

看護の役割

治療における看護

レーザー療法後の色素沈着を防ぐために、日光への曝露を避けるように指導する。

 

フォローアップ

整容的に問題となることが多いため、治療中はカバーマーク®などのファンデーションやコンシーラーの使用を勧め、精神的負担を取り除くよう関わっていく。

 

 

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本連載は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』 編集/瀧川雅浩ほか/2018年4月刊行/ 南江堂

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