ミトコンドリアやリソゾームの仕事は何?|細胞の構造と遺伝

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回はミトコンドリアやリソゾームの役割について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

ミトコンドリアやリソゾームの仕事は何?

は司令塔、小胞体やリボソームは工場と道路、ゴルジ装置は配送センターの役割を担っています。しかし、これらの器官が活動を行うためには、エネルギー(ATP)が必要です。そのために存在しているのが、発電所に相当するミトコンドリアです。

 

ミトコンドリアは細胞内に約2,000個存在しており、活動エネルギーを多く必要とする細胞ほど、たくさん保有しています。ミトコンドリア内では電子伝達系によりATPが産生されます。すべての生物は呼吸をして有機物を分解し、酸化反応を行うことでATPを産生しています。ミトコンドリアのなかには、酸化反応の最終段階の場であるクリステ、クエン酸回路や脂肪酸酸化に関与するさまざまな酵素を含むマトリックスなどがあります。

 

エネルギーがつくられてさまざまな活動が行われれば、当然のことながら不要なごみが生じてきます。こうした不要物を処理するごみ処理場に相当する器官がリソソーム(水解小体)です。リソはラテン語で溶かすという意味です。リソソームはあらゆる物質を溶かす酵素の詰まった袋で、細胞内のごみや外から侵入してきた細菌などを消化してしまいます。

 

※編集部注※

当記事は、2019年10月8日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ