術後の患者指導ではどのようなことをするの?|ストーマ術後ケア
『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマ手術後の患者指導について解説します。
術後の患者指導ではどのようなことをするの?
術後の患者指導では,ストーマを受け入れ,ストーマ管理のセルフケアを習得し,退院後の生活をイメージしながら安心して退院できることを目標とします.
具体的な指導内容は,ストーマケア方法,装具の管理・購入方法,日常生活(食事,入浴,睡眠,外出,仕事,性生活など),合併症の予防と異常の早期発見,退院後の相談窓口などです.
解説
術後の患者指導は,どの時期でも患者の理解度やストーマの受け入れ状況を確認し,患者の参加を促しながら行っていきます.社会復帰を目指して段階を追って指導を進めていきましょう.
術後の患者指導の内容と指導のポイントは,表1を参考にしてください.
知っておこう!災害時の備え
災害時の備えについても指導していきましょう.準備しておきたいものを,ここで紹介します.
① 10日ぐらいのストーマ装具(面板はすぐに使えるように何枚か切っておく)
② ティッシュペーパー
③ウエットティッシュ
④ ゴミ袋
また,使用している装具の商品名,サイズ,会社名,ストーマ装具を購入している販売店名や電話番号を携帯しておきましょう.
知っておこう!「ストーマ外来」について
入院中は看護師が常時かたわらにいて指導にあたることが可能ですが,自宅に帰ってからは自分でケアをしていきます.ある程度は退院時の生活を見据えて入院時に指導していきますが,やはり新たな疑問や問題がでてきます.そんな時に利用できるのがストーマ外来です.
ストーマ外来は,オストメイトを長期的にサポートするための専門外来です.退院後の生活リズムの変化や,体型の変化などにより生じる問題などに対して,医師や看護師によるストーマの診察を受けたり,正しいケア方法や工夫点などのアドバイスを受けることができます.また,新しい商品の情報も得ることができるので,定期的に受診し,継続して支援を受けられるとよいでしょう.
[Profile]
西浦 絵理 にしうら・えり
星ヶ丘厚生年金病院看護局看護係長/皮膚・排泄ケア認定看護師
*所属は掲載時のものです。
本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。
[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行