術後3日目の消化管ストーマの観察ポイントは?|消化管ストーマの術後ケア
『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、術後3日目の消化管ストーマの観察ポイントについて解説します。
術後3日目の消化管ストーマの観察ポイントは?
術後3日目頃では,まだストーマの浮腫は残り傷つきやすい状態で,愛護的なケアが必要な時期です.術後1日目のところで述べた観察ポイントに沿って観察を行います.
経過が順調であれば,患者は離床が進み飲水や流動食が開始になる頃です.下行結腸ストーマやS状結腸ストーマであっても排便がみられ始めますので,腹部症状もあわせて観察します.
解説
基本的なストーマの観察ポイントであるサイズ,形状,色調,浮腫の有無・程度,出血の有無・程度,排泄孔の位置や向きなどを観察します.
ストーマの血流障害から起こるストーマ粘膜の壊死がさらにはっきりしてくる場合があり,その変化を見逃さないようにします.
いったん飲水が開始された後でも,術後の麻痺性イレウスを起こす患者がいます.排泄物やガスのストーマ装具内へのたまり具合,腹満の増悪,嘔気・嘔吐などの症状をあわせて観察していきましょう.
ここに注意!自室で行うストーマケア
術後1~3日目の頃に,初回のストーマ装具交換が行われることが多いと思います.この時期はまだ離床が進んでおらず,処置室ではなく自室のベッド上で装具交換を行う場合があります.
カーテンを引いてプライバシーを守るように努めますが,装具交換中の言動は周囲の患者やその家族にも聞こえています.「ストーマ」という言葉を口にするだけでも,疾患が想像できてしまったり,オストメイトであることが伝わってしまうことになります.やむをえず自室にてストーマケアを行う際には,患者のプライバシーに十分配慮し,言動にも注意しましょう.
[引用・参考文献]
[Profile]
保刈 伸代 ほかり・のぶよ
東邦大学医療センター大森病院看護部/皮膚・排泄ケア認定看護師
*所属は掲載時のものです。
本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。
[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行