アクセサリーにはどのような種類があるの?|ストーマ装具
『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマ装具のアクセサリーについて解説します。
アクセサリーにはどのような種類があるの?
ストーマ装具の付属品をアクセサリーといいます.アクセサリーには,粘着剝離剤(リムーバー),皮膚被膜剤,消臭剤,潤滑剤,凝固剤,袋カバーなどがあります.
〈目次〉
解説
それぞれのアクセサリーの特徴と使用方法について説明します.
粘着剝離剤(リムーバー,図1)
面板やテープなどの剝離刺激を軽減する目的で使用します.ワイプタイプやスプレータイプなどがあります.剝離剤が皮膚に残ると装具の粘着力が低下するため,使用後は十分に洗浄する必要があります.
皮膚被膜剤(図2)
皮膚に薄い膜を作ることで,皮膚への刺激を低減する目的で使用します.テープつき装具使用時のテープ部分などに使用します.被膜剤を皮膚に塗布したあとは,乾燥を確認してからストーマ装具を貼付します.
消臭剤
排泄物のにおいを消臭・低減させる目的で使用します.ストーマ袋に入れて使用するものやストーマ袋の外側をカバーして使用するもの,排泄処理後に空気中に噴霧するものなどがあります.
潤滑剤(図3)
排泄物がストーマ袋内で滑り落ちやすくする目的で使用します.最近は,潤滑と消臭作用を兼ねた消臭潤滑剤が多く販売されています.
吸水・凝固剤
液状の排泄物をストーマ袋内で固めることを目的に使用します.シート状やフレーク状,カプセル型などがあります.
ストーマ袋カバー(図4)
ストーマ袋が皮膚に接触すると,発汗によりむれて皮膚障害を起こしやすいため,汗の吸水や排泄物が見えることを防ぐ目的で使用します.
その他
洗浄剤(図5)や固定具,排出口閉鎖具,腹帯,はさみなどもアクセサリーの分類に入ります.
ストーマケアがより行いやすいように,皮膚の状態や好みや希望に合わせて使用します.
[引用・参考文献]
- 1)日本ストーマリハビリテーション学会編.ストーマリハビリテーション学用語集.第2 版.金原出版,2003,154─5.
- 2)前掲書 1),90.
- 3)日本ET/WOC協会編.ストーマケア エキスパートの実践と技術.照林社,2007,23.
- 4)関西ストーマ講習会実行委員会・関西STOMA研究会主催.関西ストーマ講習会テキスト.平成17年8 月制作・平成24年改訂.
- 5)ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.ストーマリハビリテーション 実践と理論.金原出版,2006.
- 6)穴澤貞夫編.実践ストーマ・ケア.へるす出版,2003,(臨牀看護セレクション,10).
- 7)溝上祐子監.入門 尿路ストーマケア.ウロ・ナーシング冬季増刊.メディカ出版,2004.
[Profile]
小林 直美 こばやし・なおみ
パナソニック健康保険組合松下記念病院看護部主任/皮膚・排泄ケア認定看護師
*所属は掲載時のものです。
本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。
[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行