ストーマ装具にはどのような種類があるの?
『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマ装具の種類について解説します。
ストーマ装具にはどのような種類があるの?
ストーマ装具には,消化管ストーマ用と尿路ストーマ用があり,消化管ストーマ用装具は,さらに大腸ストーマ(コロストーマ)用と回腸ストーマ(イレオストーマ)用に分けられます.
また,構成部品数で分類すると,単品系(ワンピース)装具と二品系(ツーピース)装具があります.
その他,面板の構造や面板ストーマ孔のサイズなどもさまざまで,細かく分けると1,000以上の種類があるといわれています.
解説
ストーマ装具は面板・ストーマ袋・フランジ(二品系のみ)で構成されています.
ストーマ装具交換のことを「フランジ交換」と呼ぶ方をみかけますが,「フランジ」とは,二品系装具の面板とストーマ袋の接合部のことを意味しますので,正しい表現ではありません.
まずは図11)でストーマ装具の基本構造や各部の名称を確認してください.
図1ストーマ装具の名称(文献1より転載)
a.単品系装具(右2列は接皮側を示す)
b.多品系装具(浮動型フランジの例)
c.ストーマ装具トータルシステム(この多品系装具にaの単品系装具が加わる)
ストーマ装具には,消化管ストーマ用と尿路ストーマ用があり,消化管ストーマ用装具には,大腸ストーマ(コロストーマ)用と回腸ストーマ(イレオストーマ)用があります.
排泄物の特徴を考慮して作られており,ストーマ袋の形状や容量,排出口が異なります.ストーマ袋の詳細については、別記事で解説します.
次に構成部品数による分類では,単品系(ワンピース)装具と二品系(ツーピース)装具があり,前者は面板とストーマ袋が一体になっており,後者は面板とストーマ袋が別々になっています.それぞれの長所と短所は表1を参照してください.
[引用・参考文献]
- 1)日本ストーマリハビリテーション学会編.ストーマリハビリテーション学用語集.第2 版.金原出版,2003,154─5.
- 2)前掲書 1),90.
- 3)日本ET/WOC協会編.ストーマケア エキスパートの実践と技術.照林社,2007,23.
- 4)関西ストーマ講習会実行委員会・関西STOMA研究会主催.関西ストーマ講習会テキスト.平成17年8 月制作・平成24年改訂.
- 5)ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.ストーマリハビリテーション 実践と理論.金原出版,2006.
- 6)穴澤貞夫編.実践ストーマ・ケア.へるす出版,2003,(臨牀看護セレクション,10).
- 7)溝上祐子監.入門 尿路ストーマケア.ウロ・ナーシング冬季増刊.メディカ出版,2004.
[Profile]
小林 直美 こばやし・なおみ
パナソニック健康保険組合松下記念病院看護部主任/皮膚・排泄ケア認定看護師
*所属は掲載時のものです。
本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。
[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行