左側臥位にするのはなぜ?|直腸内与薬
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は直腸内与薬実施時の体位に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
左側臥位にするのはなぜ?
直腸内坐薬を肛門に挿入する時、患者に左側臥位の姿勢を取ってもらうのは、解剖学的な直腸の位置から看護師にとって最も挿入しやすいポジショニングになるためです。
ただし、直腸内への挿入深度は浣腸よりも浅いため、仰臥位や立位でも挿入可能です。その場合は、肛門を観察しやすいように膝を屈曲してもらいます。
患者のプライバシーに配慮するために、バスタオルやタオルケットなどでできるだけ露出を避けたうえで、腰部だけ出した状態で左半身を下にして側臥位になってもらいます。
看護師はディスポーザブルの手袋をはめ、左手の母指(ぼし)と示指(じし)で患者の肛門を開くようにして右手で坐薬を直腸膨大部(ぼうだいぶ)まで押し込みます。この時、便塊を避けて直腸壁に沿わせるように坐薬を挿入すると、スムーズに挿入できます。なお、患者が自分で坐薬を挿入する場合は、膝関節を曲げ、しゃがんだ姿勢を取ると挿入が楽になります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版