チューブ内の空気を抜くのはなぜ?|点滴静脈内注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回はチューブ内の空気に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
チューブ内の空気を抜くのはなぜ?
チューブ内に空気が入ったまま点滴静脈内注射を行うと、血管が空気塞栓(そくせん)を起こす危険性が生じるためです。
空気塞栓というのは血管内に侵入した空気が血管を閉塞させた状態のことで、胸痛、チアノーゼ、血圧低下、頻脈などの症状が現れます。場合によっては、意識レベルが低下し、失神をひき起こすこともありますので注意が必要です。
空気塞栓が生じた場合は、患者を左側臥位にして心臓に空気を送り、心臓から肺動脈に空気を送り込みやすくします。こうすることで、肺動脈から空気が吸収されやすくなります。さらに脳血管での空気塞栓の発生を防ぐために、患者の頭を低くした姿勢を取らせることも必要です。チューブ内に空気が混入することでルートが血栓でつまり、ルートが使えなくなる場合もあります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版