点滴静脈内注射中の患者の様子を観察するのはなぜ?|点滴静脈内注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は点滴静脈内注射中に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
点滴静脈内注射中の患者の様子を観察するのはなぜ?
副作用による患者の異常を見逃さないために、点滴静脈内注射中の患者の様子を観察する必要があります。
患者の病態、点滴静脈内注射中の薬剤、起こりうる副作用などをきちんと認識したうえで、患者の状態を確かめることが重要です。
「気分は悪くないですか」と漠然(ばくぜん)と尋ねるのではなく、予測しうる副作用に応じて、「動悸はしませんか」「吐き気はありませんか」「刺したところは痛くありませんか」というように具体的に聞くことがポイントです。気分が不快になった時にすぐに知らせることができるように、ナースコールが手の届く位置にあるかどうか確認することも必要です。
また、穿刺部の固定は確実か、テープによるかぶれはないか、刺入部からの輸液の漏れはないか、発赤(はっせき)、腫脹(しゅちょう)はないか、静脈炎の症状はないかといった確認も行います。
点滴静脈内注射中に患者が抱く不安と安心感は、看護者に対する信頼感によって変わるといわれています。不安を軽減するような声かけも欠かせません。点滴静脈内注射は長時間にわたりますので、無理のない姿勢が取れるように安楽枕で体位を変える必要もあります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版