皮膚に対して45~90度で刺入するのはなぜ?|筋肉内注射

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は刺入する際の角度に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

皮膚に対して45~90度で刺入するのはなぜ?

筋肉内注射は皮下組織より深部にある筋肉層に薬剤を注入する方法ですから、そこまで針先が確実に刺入できるように直角に近い角度で刺入を行います。皮下脂肪や筋層の厚い部位では90度で、やや浅い部位では45度くらいの角度で刺入すると、確実に筋肉層に届きます。

 

筋肉層に届かないと皮下に注入することになってしまい、皮下注射に適さない刺激性のある薬剤を注入したり、皮下注射よりも多い薬剤量を注入するような場合に、種々の副作用を生むことになりかねません。

 

殿部のように筋肉層が厚い部位では皮膚を伸展させ、90度に近い角度で刺入します。皮膚を伸展させることで刺入がスムーズになり、疼痛の軽減にもつながります。

 

上腕のように筋肉層が薄い部位では、筋肉を大きくつまみながら45度くらいの角度で刺入します。

 

図1筋肉内注射

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ