温湿布貼用中の患者の状態や皮膚の状態を観察するのはなぜ?|温罨法
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は温湿布の貼用に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
温湿布貼用中の患者の状態や皮膚の状態を観察するのはなぜ?
温湿布(おんしっぷ)には、43~45℃程度に温めたタオルを用います。
温度感覚は個人差が大きいものです。上腕内側などの皮膚が薄い部分に当て、温度確認を行いますが、看護師にとっては適温と感じても、患者には異常に熱いと感じられる場合もあります。必ず、患者に「熱くありませんか」と尋ねるようにしましょう。
また、数秒間、タオルを皮膚に当てた後、タオルをめくって皮膚に紅斑(こうはん)のような変化がないか確かめることも必要です。
温湿布の貼用(ちょうよう)時間は15分程度を目安にしますが、この間、気分不快や発汗、顔色の変化などを観察します。温湿布がもたらす効果についても、患者に確かめましょう。
腹部や腰背部の温湿布は腸の蠕動(ぜんどう)運動を亢進しますので、貼用中に腸音がするかどうか確認するようにします。
終了後は皮膚の状態を確認し、タオルで十分に湿気を取ります。
memoゴム製湯たんぽの保管
使用後、水分をすぐに捨て、完全に中の水分がなくなるまで逆さに吊るします。完全に乾燥したら内側にタルクを振り、棒状に折ってタルクを塗布した新聞紙を中に入れます。ゴム製品は高温多湿に弱いので、直射日光が当たらず、湿気の少ない場所に保管します。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版