段差のある場所では一時停止するのはなぜ?|車いすでの移送
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は段差のある場所での車いすの押し方に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
段差のある場所では一時停止するのはなぜ?
段差のある場所で一時停止するのは、段差による衝撃をなるべく小さくして段差を乗り越えるためです。
同時に、車いすを一時的に傾斜させることを患者に意識させるという意味もあります。
「これから段を上がりますので、車いすを後ろに傾けますよ」と患者に声をかけ、身構えてもらいます。いきなり車いすを傾斜させて患者を驚かすことは、絶対にしてはいけません。
ティッピングレバーの先端に足を乗せて体重をかけ、キャスターを浮かせて段の上に乗せますが、この時に意識するのは「てこ」の原理です。力点(足をかける部分)と支点(大車輪の接地面)の距離が大きいほど最小の力でキャスターを浮かせることができます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版