心臓疾患患者が起座位を取るのはなぜ?|体位の保持

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は心臓疾患患者の体位に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

心臓疾患患者が起座位を取るのはなぜ?

心臓疾患患者は仰臥していると肺への静脈還流が増加して肺にうっ血が起こり、呼吸困難が強くなるためです。また、仰臥姿勢では換気量が減少し、横隔膜の動きが制限されることも、呼吸困難を起こす一因です。

 

オーバーテーブルなどに枕を置き、座位よりもやや前に倒れた姿勢で寄りかかると、心臓の位置が高くなり、血液循環による負担が少なくなります。

 

起座位は、気管支喘息の発作時やうっ血性心不全、肺水腫、肺気腫にも見られます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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