浣腸液の温度を40~41℃にするのはなぜ?|浣腸
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は浣腸液の温度に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
浣腸液の温度を40~41℃にするのはなぜ?
直腸温よりやや高めにして直腸壁を適度に刺激し、蠕動運動を促すためです。
一般的に、直腸温は37.5~38℃くらいです。浣腸液の温度は、これより高くても低くても、腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促すことにつながります。
しかし、あまり高すぎると刺激が強すぎて腸粘膜に炎症を起こす危険性があり、低すぎると、腸壁の毛細血管を収縮させて血圧を上昇させたり、寒気や不快感、腸痙攣(けいれん)などを起こす危険性があります。
そこで、直腸温よりやや高めの40~41℃程度が最も適当ということになります。患者にとっても、この温度帯は自覚的に気持ちがよいと感じられます。
室温25℃、湿度48%の室内で、45℃の湯500mLに110mLのディスポーザブルグリセリン浣腸液をつけると、5分30秒~13分30秒後にかけて41℃前後を維持するという報告があります(3)。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版