蓄尿バッグをベッドより高く上げてはいけないのはなぜ?|導尿
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は持続導尿に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
蓄尿バッグをベッドより高く上げてはいけないのはなぜ?
持続導尿の際に蓄尿バッグをベッドより高く上げてしまうと、膀胱内の尿を重力によってスムーズに流出させることができなくなり、逆流するおそれが生じるためです。
留置カテーテルを膀胱内に挿入している状態では、尿の流出は重力によって行われます。つまり、高いところから低いところに向けて水が流れる原理を応用したものが持続導尿ということになります。
もし、蓄尿バッグを膀胱より高い位置に設置すると、バッグには逆流防止弁がついていますが、カテーテル内の尿が膀胱に逆流して膀胱内に尿がうっ滞した状態になり、スムーズな導尿はできません。
もう1つ注意したいことは、蓄尿バッグを床に倒して置かないことです。バッグについている逆流防止弁が汚染されるおそれがあり、尿路感染症につながりかねません。バッグは必ず下垂(かすい)します。
膀胱内に尿を停留させないためには、経口摂取が可能な患者には十分に水分を取るように指導することも重要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版