ウォッシュクロスを手の中に畳み込むのはなぜ?|清拭
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回はウォッシュクロスの持ち方に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
ウォッシュクロスを手の中に畳み込むのはなぜ?
ウォッシュクロスを畳み込むように持つのは、広げたままのウォッシュクロスではすぐに冷めてしまうからです。
患者の皮膚に当たる面(掌側)に厚みを持たせ、ウォッシュクロスの端がひらひらしないようにするという意味もあります。患者の皮膚に当たる面のウォッシュクロスが薄いと、患者にとって看護師の指がごつごつと感じられることがあるからです。
また、ウォッシュクロスの端がひらひらすると、その部分だけ温度が低くなり、患者の皮膚に当たった時に冷感を感じてしまいます。
ウォッシュクロスを手に畳み込む利点は、ほかにもあります。コンパクトに持つことによってシワがなくなり、一定の圧力をかけながらリズミカルに拭くことができます。また、ウォッシュクロスの全面が患者の皮膚に密着するようになります。ウォッシュクロスの面が広いと一部分だけが患者の皮膚に触れることになり、触れない部分の温度がどんどん下がってしまいます。
さらに、ウォッシュクロスを手に巻きつけることで、ウォッシュクロスのずれを防ぐことができます。看護師の爪で患者の皮膚を傷つける心配もありません。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版