デイボール リリアバック|ドレナージ吸引装置の使い方

ドレーンカテーテル・チューブ管理完全ガイド』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はデイボール リリアバックについて説明します。

 

編著 窪田敬一
獨協医科大学医学部第二外科教授

 

〈目次〉

 

デイボール リリアバックの使用部位・適応

 

400mLタイプ

 

 

100mLタイプ

 

  • 頭頸部手術など

 

デイボール リリアバックの各部の名称と機能

 

デイボール リリアバックの使用手順・接続

ここでは、400mLタイプについて説明する(100mLタイプについては、添付文書を参照)。

 

①ドレーンチューブの接続と吸引操作

  1. ドレーンチューブの有孔部を中央で切断し、2本にする。
  2. 吸引が必要と思われる部位の内側より外側に向け、あらかじめ取りつけられたトロッカー針を刺し、黒いマークが体外に出るところまでドレーンチューブを引っ張る。
  3. ドレーンチューブをトロッカー針の端から3cmの位置で45°の角度で切断し、Yコネクターの穴の開いている部分に挿入し、確実に接続する。
  4. ドレーンチューブを2本使用する場合は、もう片方のドレーンチューブにトロッカー針を貼りつけ、上記②、③と同じ操作を繰り返す。
  5. Yコネクターの穴の開いていない部分をカットする場合は、すでに穴の開いている部分と同じ位置になるようにカットし、Yコネクターを本体容器の吸引口に差し込む。
  6. 排液口の蓋が開いていることを確認し、バルブをつかんで連続的に伸縮させる。
  7. 本体容器内いっぱいにバルーンが膨らんだら、排液口の蓋を閉める。
  8. バルーン内の圧力と、容器内の圧力が等しくなるまでしばらくシューと音がする。その後、自動的に吸引が開始される。

 

②容器に貯まった排液量の測定

本体容器に貯まった排液量を測定するときは、排液口の蓋を開け、いったんバルーンをしぼませた状態で容器内の目盛りを見て測定する。

 

③本体容器からの排液操作

排液口の蓋を開け、本体容器を上下逆さまにする。

 

デイボール リリアバックの使用上の注意

1使用上の注意

  • 包装に破損や水濡れなどがあったり、内容物に損傷があったりした場合は使用しない。
  • ディスポーザブル製品なので、1回限りの使用である。決して再使用しない。
  • 胸腔ドレナージ目的で使用しない。

 

2トラブルシューティング(400mLタイプ)

①バルーンが膨らみにくい場合

排液口の蓋が閉じていないか確認する。

 

バルブの下にある金属弁が正しく作動していない場合がある。金属弁をたたくか、細い棒でつついてみる。

 

②バルーンが膨らまない場合

バルブの伸縮のスピードが遅い。

 

バルーンが破裂しないよう肉厚になっているので、最初の数回は膨らみにくい場合がある。

 

③バルーンが膨らんだまま、しぼまない場合

創部内の吸引すべき血液、体液がすでになくなっている場合がある。

 

ドレーンチューブが詰まっている可能性がある。その場合、チューブの詰まりの部分を指でしごいて取り除く。

 

吸引口の逆流防止弁が詰まっている可能性がある。この場合、細い棒で弁を開放する。

 

④バルーンがすぐにしぼんでしまう場合

ドレーンチューブの側孔の部分が体外に出ている。

 

ドレーンチューブとYコネクターの接続が外れている。

 

Yコネクターと吸引口の接続が外れているか、ゆるんでいる。

 

排液口の蓋が十分に閉まっていない。

 


[販売元/資料請求先]
株式会社メディコン
〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町2-5-8 平野町センチュリービル9階
URL:http://www.medicon.co.jp/top/

 

*掲載時のものです。

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2015照林社

 

[出典] 『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド第一版』 (編著)窪田敬一/2015年7月刊行/ 株式会社照林社

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