免疫って何?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は免疫について説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
免疫って何?
免疫システムは記憶機能を保有しており、細菌やウイルスなどの感染症や癌に対する防衛機構を担っています。
身体のなかに病原体や外界の異物が侵入すると、生体はそれまでの正常な状態を維持できなくなります。そこで、病原菌や異物の侵入を水際で阻止するため、物理的、化学的に侵入を防ぐ機能が必要になります。病原体をいち早く見つけるシステム、そして病原体を障害する軍隊も必要です。
さらに、情報の伝達や武器の調達も行わなければなりません。このような一連の生体防御システム(機構)を免疫とよびます。
すなわち、免疫とは自己と非自己を識別し、非自己を攻撃し、非自己から自己を守る仕組みということになります。
自己とは自分自身の生体です。非自己とは自分自身ではないものですから、細菌、ウイルスや真菌(カビ)などの微生物、輸血による他人の血球、粘膜や傷口から侵入した異物や毒素などです。癌細胞は自己由来ではありますが、非自己として認識されます。
※編集部注※
当記事は、2019年5月20日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版