免疫って何?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は免疫について説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
免疫って何?
免疫は、病気、特に細菌やウイルスや感染症に対する防衛機構です。
体のなかに病原菌や外界の異物が侵入すると、生体はそれまでの正常な状態を維持できなくなります。そこで、病原菌や異物の侵入を水際で阻止するため、物理的、化学的に侵入を防ぐ機能が必要になります。病原体をいち早く見つけるシステム、そして病原体をやっつける軍隊も必要です。
さらに、情報の伝達や武器の調達も行わなければなりません。このような一連の生体防御機構を免疫と呼びます。
すなわち、免疫とは自己と非自己を識別し、非自己を攻撃し、非自己から自己を守る仕組みということになります。
自己とはもちろん、自分自身の生体です。「非自己」とは自分自身ではないものですから、細菌、ウイルスや真菌(カビ)などの微生物、輸血による他人の血球、粘膜や傷口から侵入した異物や毒素などを指します。癌細胞は自己由来ではありますが、非自己として認識されます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版