リンパってどういうもの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回はリンパについて説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
リンパってどういうもの?
もともとは組織液(組織間液)から発生したものがリンパで、リンパ液とリンパ球から構成されています。組織間液は毛細血管から染み出たものですが、一部は静脈系に再吸収されず組織間隙(そしきかんげき)に残っています。
この組織液には、細菌やウイルス、異物などが含まれることもあります。組織間隙に組織液が残り続けると、組織液は徐々に汚れていくだけでなく、生体は感染の危険にさらされ続けなければなりません。
そこで登場するのが毛細リンパ管です。毛細リンパ管は静脈に沿ってレース編みのように張り巡らされている、もう1つの循環系です。静脈が上水道だとすれば、リンパ管は下水道に相当します。
リンパ管は細菌やウイルス、異物などを、余分にある組織液ごと吸収してしまうのです。このようにしてリンパ管に吸収された液体成分がリンパ液です。毛細リンパ管が吸収する組織液は、組織液全体の10%です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版