体温、呼吸、脈拍、血圧をバイタルサインと呼ぶのはなぜ?
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「バイタルサインの意味」に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
体温、呼吸、脈拍、血圧をバイタルサインと呼ぶのはなぜ?
バイタルとは、「生命の維持に必要な」という意味の形容詞です。これが名詞形になったものがバイタリティ=生命力ということになります。ちなみに、サインは徴候を意味します。
つまり、バイタルサインは、「生命の維持に必要な徴候=生命徴候」という意味です。
バイタルサインの4つの徴候は、ヒトが生きているという身体的状況を的確に反映しています。さらに、これらはみな、数値としてとらえられるという客観性があります。
もちろん、生命徴候には、食事をしたり、排泄をしたり、話したりといった要素もあり、心音や呼吸音、心電図、脳波、意識状態なども含まれます。しかし、こういったことまで含めると、日常的にケアに役立つということとはかけ離れてしまいます。
「体温」「呼吸」「脈拍」「血圧」の4つをもってバイタルサインとするもう1つの理由は、測定が簡便なことです。
脈拍や呼吸はケアに当たる人が目で見たり、手で触れて感じることができます。体温や血圧は、簡単な測定器があれば短時間で測定することができます。
これらのバイタルサインを観察することにより、患者の異常や精神的な動揺を早期に発見することができ、また、患者に適した日常生活援助を実施することができます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版