浸透圧って何?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は浸透圧に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

浸透圧って何?

細胞膜や毛細血管壁、尿細管壁などは、半透膜(はんとうまく)としての性質をもっています。すなわち、水分、無機塩、アミノ酸、単糖などの低分子物質は自由に通過できるのですが、タンパク質などの高分子物質は通過できない性質です。

 

液体に溶けている物質は、半透膜を挟んで濃度の低いほうから濃度の高いほうへ移動する性質があります。そのため、半透膜を挟んで2種類の濃度の液体が存在すると、低分子物質は高濃度のほうへ移動し、両方が同じ濃度になります。

 

このとき、濃度の低いほうから高いほうへ向かって低分子物質が移動するために圧がかかります。これを浸透圧といいます。

 

この浸透圧が正常範囲からずれると、さまざまな重篤な症状が出ますので、浸透圧は厳密に制御されています。

 

※編集部注※

当記事は、2018年12月17日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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