生体の恒常性って何?|体液の成分と働き
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は生体の恒常性に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
生体(せいたい)の恒常性って何?
生体の恒常性とは、外界の環境の変化に対し、生体を安定した恒常的な状態に保とうとする仕組みで、神経、内分泌、免疫の相互作用によって維持されています。ギリシャ語でホメオスタシスともいい、同一の状態を意味します。生体の恒常性が維持できなくなると疾患に結びつくこともあります。
生体を恒常的な状態に保つうえで重要な役割を果たしているのが、体を巡る体液です。
体液には組織の代謝を媒介する血液、細菌や老廃物を除くリンパなどがあります。ヒトの身体にある約60兆個の細胞活動を支える、体液の恒常性が保たれてこそ、生体の各組織の恒常性も保たれるのです。
神経、内分泌、免疫が、恒常性を維持するためのコントロールタワーだとすると、血液やリンパなどは、第一線に立って働く実働部隊といえます。
この恒常性を維持するために生体に備わっているのがフィードバック機構です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版