酸素療法のデバイスの組み立て方法は?
『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「デバイスの組み立て方法」に関するQ&Aです。
露木菜緒
一般社団法人Critical Care Research Institute(CCRI)
デバイスの組み立て方法は?
加湿する/しない、加温する/しないによって、準備するデバイスが異なります。閉鎖式加湿システムを使用する場合は、酸素吹き出し口が異なるため、注意が必要です。
〈目次〉
鼻カニューラ(図1)
①酸素流量計にニップルナットを接続する。
②鼻カニューラの酸素チューブを接続する。
簡易酸素マスク・リザーバーマスク(図2)
①酸素流量計にヒューミディファイヤーアダプターを接続し、ボトル入り蒸留水を接続する。接続時、垂直に挿入しないと酸素漏れの原因となることに注意する。
②酸素チューブ接続口のピンを折り、酸素チューブを接続する。
ベンチュリーマスク(図3)
①酸素流量計にヒューミディファイヤーアダプターを接続し、ボトル入り蒸留水を接続する。
②酸素チューブ接続口のピンを折り、酸素チューブを接続する。
③酸素濃度に合わせてダイリューターを接続する。空気流入口がふさがれないように、ネブライザー用フードは常時装着する。
インスピロンネブライザー(図4)
①酸素流量計にインスピロンネブライザーを接続し、白いキャップを外して蒸留水を入れる。
②加温しないときは白いキャップを2つ付ける。加温するときは、白いキャップを1つ外して、加温棒を挿入する。
③酸素吹き出し口に蛇管を接続し、途中にウォータートラップを組み込み、酸素マスクを接続する。
レスピフロー(図5)の場合
①酸素流量計にネブライザーアダプターを接続し、ボトル入り滅菌水を接続する。
②リターンチューブ(リサーキュレーションチューブ)をボトル入り滅菌水の横の差し込み口に挿入する。
③酸素吹き出し口に蛇管を接続し、途中にウォータートラップを組み込み、酸素マスクを接続する。
④加温するときは、ネブライザーアダプターとボトル入り滅菌水の間にヒーターを接続する。
[文献]
- (1)田勢長一郎:酸素療法・酸素療法の適応と中止.丸川征四郎,槇田浩史 編,呼吸管理・専門医にきく最新の臨床,中外医学社,東京,2003:58-60.
- (2)瀧健治:呼吸管理に活かす呼吸生理 呼吸のメカニズムから人工呼吸器の装着・離脱まで.羊土社,東京,2006:95.
- (3)Kallstrom TJ. AARC Clinical Practice Guideline:Oxygen thrapy for adults in the acute care facility-2002 revision & update. Respir Care 2002; 47: 717-720.
- (4)宮本顕二:インスピロンQ&A「より安全にお使い頂くために」 Q10.日本メディカルネクスト株式会社.(2014年11月18日閲覧).
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社