射精はどのように行われるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は射精に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
射精はどのように行われるの?
精子は精巣上体を約3週間かけて通過します。一時的に精巣上体に精子をためておくこともできます。男性が性的な刺激を受けると、精巣上体の壁が収縮し、たまっていた精子が精管へと送り出されます。
精管は精嚢管と合流し、射精管になって前立腺を貫き、尿道へと開口します。つまりこの間に、精嚢、前立腺、尿道の分泌物が精子に混じることになります。分泌物と精子が混ざり合ったものが精液(MEMO)です。精液は精子の運動に必要な栄養素を補給したり、精子の運動性を高める役割があります。
射精とは精液を射出することで、そのプロセスは2段階あります。
第1段階は精管から射精管を通って尿道に至るまでです。精管を作っている厚い平滑筋層が波打つように収縮し、精子を急速に尿道へと送り出します。こうした反射を支配しているのは交感神経です。第2段階は尿道から体外に出るまでで、体性運動神経が支配する脊髄反射によって射精が行われます。
精子は、アルカリ性の精嚢液(80%)と酸性の前立腺液(20%)の混合液である精液に包まれるような形で、腟内に放出されます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版