精子はどのように作られるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は精子に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

精子はどのように作られるの?

精子はオタマジャクシにそっくりなかたちで、頭部、中部、尾部の3つから成り立っています。頭部の膨らんだ部分には遺伝情報のDNAを含む核があります。中部には、精子の運動に必要なエネルギー(ATP)をつくり出すミトコンドリアがたくさん詰まっており、細い尾部を動かして移動していきます。

 

精子がつくられるのは、精巣のなかにミカンの房のようなかたちで納まっている精細管(せいさいかん)という部分です。卵子と同じように、原始生殖細胞である精細胞が分裂して精子になります。卵細胞は分裂しても1つの卵子しか成熟しないのに対し、精子は分裂した細胞がほぼすべて成熟した精子になるという特徴があります。

 

こうしてつくられた精子は、精細管内にあるセルトリ細胞に頭部を埋めています。そして、セルトリ細胞が収縮することで精子が放出され、精巣上体に到着すると、ここを3週間かけて通過しながら運動性を獲得します。

 

※編集部注※

当記事は、2018年7月23日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ