骨はどのような構造になっているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「骨の構造」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
骨はどのような構造になっているの?
骨は、骨皮質(こつひしつ)という表面の硬い部分と、海綿質(かいめんしつ)という内部の網目状の部分の2層構造になっています。
骨皮質は緻密な構造から成っていることから、緻密骨(ちみつこつ)ともよばれます。緻密骨にはハバース管を中心にして、まるでバウムクーヘンのように幾層も重なった同心円柱〔骨層板(ハバース層板)〕がぎっしり詰まっています。こうして骨層板が縦方向に連なっているため、骨は曲げに対して強い構造になっているのです。
骨層板の間の小さなすき間(骨小腔)には、骨組織の吸収と再生に関与する骨細胞が収まっています。なお、ハバース管、骨層板、骨細胞の集合を骨単位といいます。
内部の海綿質は、スポンジのように立体的な網目構造になっています。網目は骨梁(こつりょう)とよばれる骨質によってつくられ、その構造によって外力を吸収し、強い強度を保っています。
海綿質は内部はすき間だらけです。このすき間のことを骨髄腔(こつずいくう)といいます。
骨髄腔には骨髄が詰まっており、造血を行っています。成人では骨髄の重さは約2.5kgです。骨髄の造血機能については、「血球はどこでつくられるの?」を参照してください。
スポンジ構造のおかげで、骨格は平均して5~6kgと軽量化され、表面の緻密骨との共同作業によって体重を支えられるほど強固になっています。
※編集部注※
当記事は、2018年1月29日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
⇒〔解剖生理Q&A 記事一覧〕を見る
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版