間脳はどんな役割を果たしているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「間脳」に関するQ&Aです。
[前回]
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
間脳(かんのう)はどんな役割を果たしているの?
大脳の深部に位置しているのが間脳です。間脳は、視床と視床下部から構成されています。左右の視床に挟まれて松果体(しょうかたい)があり、視床下部からは下垂体が延びています。
視床は感覚系の神経を中継するところです。嗅覚以外の神経線維はすべて視床を通って大脳皮質の各中枢に向かっています。視床は感覚情報の中継所ですので、快・不快程度であれば認識できますが、もっと細かな判断は大脳皮質の感覚野で行われます。
視床下部は、自律神経や内分泌の中枢として機能しています。全身からの感覚情報、自律神経の情報、ホメオスタシス(恒常性)の情報などが集中し、生体のすべての細胞が最適な環境に置かれるように、自律神経やホルモンを介して制御しています。また、視床下部には食欲、性欲、疼痛(とうつう)、口渇(こうかつ)などの中枢もあります。
MEMO松果体(しょうかたい)
内分泌器官の1つで、視覚刺激によって体内時計の役割を果たしています。サーカディアンリズム(概日リズム)を調節するメラトニンという睡眠ホルモンを分泌しています。
※編集部注※
当記事は、2017年11月3日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
[次回]
⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版