副甲状腺は甲状腺と関連があるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「内分泌官とホルモン」に関するQ&Aです。
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山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
副甲状腺は甲状腺と関連があるの?
副甲状腺(上皮小体)は、甲状腺の後側面に位置することからその名があるのですが、機能的には甲状腺とは無関係です。
副甲状腺から分泌されるホルモンは副甲状腺ホルモンです。副甲状腺ホルモン(PTH)はパラソルモンともいい、血中や組織のカルシウム濃度を調節します。
副甲状腺ホルモンが分泌過剰になると、骨からカルシウムが溶け出して骨折しやすくなります。また、血中のカルシウム濃度が高くなり、尿へのカルシウムの排泄も多くなって尿路結石ができやすくなります。
副甲状腺ホルモンが不足すると血中のカルシウム濃度が低下し、筋に痙攣が生じます。これをテタニーといいます。
MEMOテタニー
低カルシウム血症による症状の 1 つ。手足がこわばって痙攣し、重症では痙攣症状が全身に及びます。甲状腺摘出手術で誤って上皮小体が除去された結果、テタニーを起こすことがあります。
※編集部注※
当記事は、2017年9月25日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版