なぜ消化する必要があるの?
看護師のための解剖生理の解説書『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
[前回]
今回は「消化」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
なぜ消化する必要があるの?
消化が必要なのは、食物の栄養素はそのままでは血液中に取り込まれないからです。食物は口の中で小さく噛み砕かれ(物理的消化)、胃や腸でさらに細かく砕かれながら、消化液に含まれる消化酵素の作用で分解されます(化学的消化)(図1)。
図1消化、吸収、排泄の働き
この2段階を経てようやく、栄養素はグルコースやアミノ酸などの小さな分子に分解され、血液中に入ることができます。
食物の成分が胃腸管から血液に取り込まれることを吸収といいます。
吸収の90%は小腸で行われ、胃ではアルコールが、大腸では水分が吸収されます。吸収は、食事をすると開始され、約9時間後までに水分以外のほとんどの栄養素が吸収されます。
※編集部注※
当記事は、2016年8月4日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
[次回]
⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版