興奮すると胸がドキドキするのはなぜ?

看護師のための解剖生理の解説書『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

[前回]

心筋の収縮はどのように伝わるの?

 

今回は「心拍数と興奮の関係」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

興奮すると胸がドキドキするのはなぜ?

ゆっくりとくつろいでいるときには心臓の拍動は安定していますが、興奮したり運動をすると拍動は激しくなります。

 

この変化に関係しているのが、自律神経の交感神経副交感神経です。

 

交感神経は興奮したときに、副交感神経はリラックスしたときに優位になります。

 

この2つの神経が心臓を支配していますので、緊張したり運動したりすると交感神経が優位になり、心臓に血液をたくさん送り出すように指令を伝えます。

 

この指令が心臓に伝わると、心筋内の筋小胞体(きんしょうほうたい)からカルシウムイオン(Ca2+)が放出され、これが心筋線維に結合して心筋が収縮し、心拍数が増加します(筋収縮の詳しい課程は「骨格筋はどのようにして収縮するの?」参照)。

 

上記のカルシウムイオンのない状態ではカリウムイオンが多くなり、心筋は弛緩して心拍数が減少します。

 

※編集部注※

当記事は、2016年5月23日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

[次回]

心臓の血液が逆流しないのはなぜ?

 

⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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