心筋の収縮はどのように伝わるの?
看護師のための解剖生理の解説書『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
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今回は「心筋の収縮」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
心筋の収縮はどのように伝わるの?
心臓は神経が切断されても拍動を続けることができます。これを心筋の自動性といい、一部の筋線維が受け持っています。心筋の自動性の興奮が始まるのは、右心房の洞房結節(どうぼうけっせつ、洞結節[キース・フラック結節])という部分です。この部分がペースメーカーです。
右心房の洞房結節からの刺激は左右の心房に伝わり、心房が収縮します。また、洞房結節の刺激は房室結節(田原の結節)、房室束(ヒス束)を介して心室に伝わり、左右の心室が同時に収縮します。
この一連の経路を刺激伝導系(しげきでんどうけい)といいます(図1)。
図1刺激伝導系
このようにして、心室から大血管に向けて搾り出すように、血液が送り出されます。
※編集部注※
当記事は、2016年5月20日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版