包帯を巻くとき、末梢から中枢に向かって巻くのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は包帯の巻き方に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
包帯を巻くとき、末梢から中枢に向かって巻くのはなぜ?
中間部位あるいは中枢側から巻き始めると、末梢側に血液の循環障害が生じるためです。
〈目次〉
包帯を末梢から巻くのは
腕または足などに包帯を巻くときには、末梢側から始めて中枢側(体幹部)へ巻きつけるようにします(図1)。
そうしないと、包帯装着部より下部に充血、浮腫および壊疽を生じる可能性があり、また、静脈の還流を妨げることになります。
そのほか、均等な圧力および張力がかかるように巻かないと血液循環の障害による創傷治癒の遅延をまねくことになります。
血液循環障害時の徴候は
包帯がきつすぎる場合にみられる循環障害の徴候には、①爪の色が青白くなる、②皮膚の蒼白、③局所の冷感、④しびれや疼痛、⑤皮膚の鈍麻、⑥手や足の指が動かすことができない、などがあり、注意深い観察が必要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版