マンシェットの幅が年齢や体格などで 決まっているのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回はマンシェットの選び方に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
マンシェットの幅が年齢や体格などで決まっているのはなぜ?
腕の太さとマンシェットの幅および長さが合っていないと、正確な血圧値が出ないからです。
〈目次〉
マンシェットの幅は
一般に、マンシェットの幅が狭いと血圧は高値に出る傾向があり、逆に幅が広いと低値に出る傾向があります。
JIS規格では、成人(上腕用):14cm、成人(下肢用):18cm、生後3か月未満:3cm、3か月~3歳未満:5cm、3~6歳未満:7cm、6~9歳未満:9cm、9歳~:12cmと決められています。
おおよそ上腕の直径または大腿の直径より20%幅の広いものが適するといわれています。成人に使用するマンシェットを使って小児の血圧を測定すると、当然、実際の血圧より低値になってしまいます。
腕の太さによる血圧値の違いは
腕の太い人の血圧は、細い人よりも高値に出る傾向があります。これは血管の周囲の組織が厚いためと思われます。また、腕の太い人に通常の成人用のマンシェットを使うと、逆に実際よりも高値が出てしまいます。
一定の幅のマンシェットを使った場合の補正法は
一定の幅のマンシェットを用い、上腕の太さによってできている補正曲線により実測値を補正することができます。
図1のように上腕周囲の太さとマンシェットの幅の関係をみると、たとえば15cm幅のものでは、上腕周囲が約30~45cmの範囲の人が使用できます。
図2は、13cm幅のマンシェットを用いて測定した場合の補正曲線を表したものです。
上腕周囲28cmぐらいの場合に正常の値を示しますが、たとえば上腕周囲40cmの人が血圧を測定した値が140/88mmHgだったとすると、収縮期圧(最大血圧)/拡張期圧(最小血圧)のそれぞれの補正値は、125/68mmHgという血圧値になります。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版