マンシェットを巻くとき、指が1~2本入る程度の強さで巻くのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回はマンシェットの巻き方に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
マンシェットを巻くとき、指が1~2本入る程度の強さで巻くのはなぜ?
これはあくまでも目安ですが、マンシェットの巻き具合で血圧値が変わってしまうためです。
〈目次〉
マンシェットを緩く巻くと
マンシェットを正しく巻いた場合、マンシェットの中のゴム嚢が均等に上腕を圧迫し、そのため上腕動脈が圧迫され血行が止まります。
緩く巻きすぎると、加圧したときマンシェットの中のゴム嚢が外方に膨れ上がり、内部の上腕動脈を圧迫する加圧面積が減って十分圧迫することができなくなります。マンシェットを正しく巻いたときよりもさらに加圧しないと、上腕動脈の血行が止まりません。その結果として、血圧値が高くなってしまいます(図1)。
- ①マンシェットを正しく巻いた場合:マンシェットの中のゴム嚢が均等に上腕を圧迫し、そのため上腕動脈が圧迫され血行が止まる。
- ②マンシェットを緩く巻いた場合:マンシェットのゴム嚢が外方に膨れ上がり、内部の上腕動脈の圧迫の仕方が弱くなり①よりもさらに加圧しないと上腕動脈の血行が止まらない。
マンシェットをきつく巻くと
反対にあまりきつく巻きすぎると、マンシェットに空気を入れる前から上腕を緊迫した状態となり、その分だけ血圧値は低くなってしまいます。また、きつく巻きすぎた場合、静脈を圧迫してしまい、手や前腕がうっ血を起こし血管音が聴きとりにくくなります。
そのため収縮期圧(最大血圧)は低く、拡張期圧(最小血圧)は高めに出たりすることがあり、血圧測定が不正確になります。そこで巻き方は、「緩からず、きつからず」ということになります。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版