一般に、同一側で血圧を測定するのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は血圧測定の条件に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
一般に、同一側で血圧を測定するのはなぜ?
本来、血圧に左右差はないはずですが、健常者でもときに左右の腕で血圧に差がみられることがあるからです。
〈目次〉
一定の条件で測定するのは
血圧は正常時でもマンシェットの幅と測定部の太さ、測定時の体位、生理的条件などによって変動を示します。望ましいのは、安静にして、常に一定の条件下(同一体位、同側の腕)で測定することです。
測定順による値の差は
また、単に測定の順序のみによって左右差が生ずることがしばしばあるので、注意が必要です。
1回目に右腕で測定し、2回目に左腕で測定すると、1回目と2回目の測定値が最大血圧および最小血圧ともに10~20mmHgも差が出ることがあり、これをすぐ左右差があると判定することは危険です。
このような場合には、もう一度右腕の血圧を測定してみる必要があります。こうすると、左腕と右腕の血圧がほとんど同じになることがしばしばあります。
その理由としては、臥位をとってから、しばらくの間は血圧は徐々に低下してから安定するということと、血管を圧迫することで、血圧調節の反射を引き起こすことが考えられます。10~20mmHg以上の著しい差がみられる場合には、動脈の閉塞または狭窄などが考えられますが、このようなときには、高いほうの値を最大血圧とするのが原則です。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版