一般に血圧を上腕で測定するのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は血圧測定に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
一般に血圧を上腕で測定するのはなぜ?
単純にほかの場所よりも測定が容易であることと、もう1つは、臥位でも座位でも心臓と同じ高さになるためです。
〈目次〉
左心室・大動脈の圧力は
左心室のなかの圧力は、ギュッと収縮した瞬間が最も高く、120mmHgほどになり、血液を送り出した直後は低く、0~10mmHgほどしかありません。大動脈のなかの圧力は、入口付近では、心臓が収縮した直後に120mmHg、拡張期には80mmHgくらいになります。
血圧とは
血圧とは、このように血管が内側から押される圧力(内圧)のことですが、普通は動脈の内圧を意味します。実際に真の血圧を測定するとなると血管の中へ針を刺して測定する方法がありますが、臨床的には困難であり、日常の血圧測定としては不可能です。
一般に血圧といっているものは、患者に苦痛を与えず、測定の容易な上腕動脈の側圧(血管内から組織の方向へ作用している圧力)のことです。
血圧を上腕で測定するのは
大動脈では高かった圧力も血管が末梢に向かって枝分かれするに従って、ごくわずかずつ低くなっていきます(図1)。
そして心臓に近い所と遠い所では、血圧も異なります。一般に血圧は臥位が最も高く、座位、立位へと体位を変換すると低下するものですが、その点、上腕の場合は臥位でも座位でも心臓と同じ高さにあるので、影響が少ないと思われます。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版