心室細動~心室頻拍よりもっと危ない不整脈|不整脈の心電図(13)
心電図が苦手なナースのための解説書『アクティブ心電図』より。
今回は、心室細動について解説します。
田中喜美夫
田中循環器内科クリニック院長
[前回の内容]
〈目次〉
心室細動
図1の心電図は、基線がギザギザしているだけでP波もQRS波もなんだかよくわかりません。
これは心室細動といって、字のごとく心室が細かく痙攣しているだけの状態です。まさにこれは心肺停止です。この心室細動が起こると数秒で意識がなくなり、心拍が戻らなければそのまま死に至ります。究極の致死性不整脈です。
心室細動の対応
とにかく患者さんを観察します。ごくまれに自然に心拍が復帰することがありますが、例外中の例外で、除細動しないと痙攣すら起こらない心静止(心電図上の完全な直線)に移行して、時間とともに救命のチャンスが減っていきます。逆にいえば、除細動が早くできれば助かる可能性が高いのです。急ぎましょう。
- ①意識はありません。もし意識があれば、心室細動が自然停止したか、アーチファクトですので、一安心です。落ち着きましょう。
- ②三種の神器(応援・救急カート・除細動器)を要請します。
- ③素早くABCを行い可及的速やかに除細動ですよ。
[次回]
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『アクティブ心電図』 (著者)田中喜美夫/2014年3月刊行/ サイオ出版