筋電図検査(EMG)|脳・神経系の検査
『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、筋電図検査(EMG)について解説します。
高木 康
昭和大学医学部教授
〈目次〉
- 筋電図検査(EMG)とはどんな検査か
- 筋電図検査(EMG)の目的
- 筋電図検査(EMG)の実際(針筋電図)
- 筋電図検査(EMG)前後の看護の手順
- 筋電図検査(EMG)において注意すべきこと
- 筋電図検査(EMG)現場での患者との問答例
筋電図検査(EMG)とはどんな検査か
筋線維の興奮時の電気活動を記録する。針筋電図と誘発筋電図に大別される。
筋電図検査(EMG)の目的
筋力低下や筋萎縮などの症状があるときに、それが神経系のどのレベルで生じているか診断する基本的な検査である。特に針筋電図は、神経原性か筋原性かの鑑別に有用である。
筋電図検査(EMG)の実際(針筋電図)
- ①診断目的に応じて検査筋を選択する。
- ②各筋に針電極(ディスポーザブル)を刺入する。
- ③刺入後、弱収縮から最大収縮までの随意収縮時の活動をオシログラフ上で記録し、観察する。
筋電図検査(EMG)前後の看護の手順
1)患者への説明
- 痛みを伴う検査であるが、診断に有用であることを伝える。
- 合併症として皮下出血や血腫をつくることがあるが、後遺症の心配はないことを伝える。
- 力を入れたり抜いたりと、協力してもらうことを伝える。
2)準備するもの
- ①筋電図計
- ②オシログラフ
- ③針電極
- ④アルコール綿
- ⑤固定用テープ
3)検査後の管理
- 刺入部からの出血の有無の観察する。
- 皮下出血や血腫がある場合、クーリングを行う。
筋電図検査(EMG)において注意すべきこと
筋電図検査(EMG)現場での患者との問答例
筋肉の力が弱くなっている原因を調べるために、筋電図という検査をします。
どんな検査ですか。
筋肉に針を刺すので痛みを伴いますが、診断に欠かせない検査です。つらい時は言ってください。
痛いんですか……。副作用みたいなものはないのですか。
終わった後に皮下出血があったり、腫れたりすることがありますが、時間とともに消えるので心配ありません。
わかりました。
略語
- EMG:electromyogram(筋電図)
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版