【マンガ】それでも看護をする理由~Case.2 みお~(3)

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プリセプターのみおは、新人の反応の薄さが気になり始めて…。

 

しばらくして、「最近どう?彼?」と先輩に聞かれると、みおはどんよりした顔で「それが…聞いてくださいよ~。」と以前あった出来事を相談することにしました。

 

 

 

経緯を話すと先輩は、「なるほど、言っても新人だもん。気が利かないのは仕方ない。それフォローするのも栗原の仕事でしょ?」とみおに対して言いました。みおは、「反応とか、いつも淡泊でつかめなくて。こんなこと言ったらダメとは思いますけど…。」とうつむきながら

 

 

 

「男の子だから。」と言おうとしたところ、先輩に「性格だって!」と言葉を遮りられました。先輩は続けて、「男女差のせいにしない!プリならもっと冷静になんないと!」とみおを注意しました。その頃病棟では、プリの恒平が「あ、ちょっとお兄さん!」と患者さんに声をかけられていました。

 

 

 

「トイレ、連れてって。」と立ち上がる患者さんに「えっと…。」と答えようとすると、「早く!さっきからガマンしてんだ。」ときつく言われてしまいました。恒平は、「わかりました。じゃあ…焦らずゆっくり行きましょう。」と患者さんの手を引き、トイレにむかいました。

 

 

 

しばらくして、みおのもとに先輩が駆け寄ってくると、「栗原!!ちょっといい!?さっき佐伯さんがトイレで転倒して…B01の圧迫骨折の方だけど…。連れてったの恒平くんらしくて…。」と急いで説明しました。なにも知らなかったみおは「えっ。」と驚き、「幸い大事には至ってないけど、安静度表見てなかったみたいだし…きちんと事情とか聞いてみて?」と指示を受け、「ありがとうございます。申し訳ありません…。」と謝りました。

 

 

 

みおが急いで恒平のもとへいくと、彼は、「すみません。俺のせいで…。」と謝りました。みおは「起立性低血圧起こしたって。ベッド上安静の指示は見てなかった?」と質問すると「すみません。立ち上がっていたので大丈夫かと…。」と言葉をにごされ、「確認してないのね?」と指摘しました。そして、「そもそも異動のときは自己判断はしないでって。」と厳しく言いました。すると、彼は「急かされちゃって…。」と言い訳を始めました。

 

 

 

恒平の態度にイラついたみおは、とっさに「それだけで勝手に連れてく?普通!?」と言葉荒く怒ってしましました。「普通…」と復唱する彼を見てはっと我にかえり、「あっいや…そういうことじゃなくて…。その時々の判断とか、そういうのをしてほしいってこと…。」とつけたしました。彼は表情を変えないまま、「あの…ひとつ質問いいですか?」というと

 

 

 

「その”判断”は”自己判断”じゃないんですか?」と言いました。そんなふうに言われたみおは、はっとして、言い負かされてしまったように感じるのでした。

 

【4】に続く

 

 

【マンガ:小暮さきこ】

漫画家・デザイナー。

2008年に漫画家デビュー。

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原案:坂本綾子(看護roo!編集部)

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