【マンガ】それでも看護をする理由~Case.1 はづき~(2)

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インシデントを起こした看護師3年目の稲本はづき。

心配した友人たちが、飲み会で励ましますが…。

 

仕事がお休みの日、同じく看護師として働いている友人と食事に行きました。「そっか…先輩なんて首筋に噛み付かれて、首に入れ歯が食い込んじゃってさー。」「あははっコント?」「それさすがに盛り過ぎ!」「いやいやホントに!」と友人たちは笑い話を交えて、私を励ましてくれました。そして帰り際、「やーでも良かったよ。ちょっと安心した。」と私に言いました。「え?」と聞き返すと、

友人2人は声を揃えて「思ったより元気そうで。」と言いました。「人は亡くなるものだし、考え過ぎも良くないよ。」とフォローをすると、その場で手を振って解散しました。私は友人たちを笑顔で見送ったあと、その場をすぐには動けず、うつむきながら先程の会話について考えていました。

『人は亡くなるもの。確かにそうだけど…。問題はその理由なんだよ…』と帰る方向へ向かいながら思いました。すると後ろから『あなたのせいでしょ?』という女性の声が聞こえました。私は驚いて振り向きましたが、そこには誰もいませんでした。

 

 

 

翌日出勤すると、後輩の大熊さんが、本来私がするはずの仕事を行っていることに気が付きました。「何で大熊さんがみてるの?」と質問すると、後輩は「指示を受けたので…」と気まずそうに言いました。私は、さらに「じゃあ誰に?」とつとめて優しく尋ねました。

大熊さんは小声で、「佐々木さん…とか…」と目をそむけながら言いました。先輩に言われたことは断れないと納得して、「大熊さんのせいじゃないから」と笑顔で気にしていない素振りをしましたが、心の中では、『なにそれ…担当私なのに…』と不満が募りました。

その後も、先輩へ仕事を手伝うと申し出ても「自分でやったほうが早い。いいからステーション戻っててー。」と断られてしまいました。仕事を振ってくれないことにうすうす気が付きながらも、笑顔を作って「わかりました。そうします」と言いました。

ステーションでも同じで、手伝いは断られ、ナースコールに出ようとすると、「コール…絶対取れって言われてて…スミマセン」と後輩が先に出てしまいます。荷物を持っている同僚には、「手伝い…」と申し出ようとした言葉を遮るように「いらなーい」とかぶせられました。

何も仕事をさせてもらえない時間は長く、『午前中が長いなぁ…』と忙しそうに移動するスタッフや患者さんが通りすぎるのを感じながら思いました。仕方なく物品整理を始めていると、「稲本さん、そんな所で何やってんの。」とリーダーの日野さんに見付かりました。

 

【3】に続く

 

【マンガ:小暮さきこ】

漫画家・デザイナー。

2008年に漫画家デビュー。

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原案:坂本綾子(看護roo!編集部)

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