【マンガ】それでも看護をする理由~Case.1 はづき~(1)

全6回の短期マンガ連載、スタートです!

看護師3年目の主人公・稲本はづきは誰にも言えない秘密を抱えていて…。

そんなはづきが「それでも看護をする理由」を一緒に考えてみてください。

 

私は稲本。看護師をしています。「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン」夜勤の仮眠中、ナースコールの音で目を覚ましました。まだ少し寝ぼけながら、対応しようとステーションへ戻り、病室を確認すると、ナースコールを鳴らしたのは、田中さんという患者さんでした。

 

 

 

少し躊躇しながらも、ナースコールを取りました。肘には絆創膏がついています。何日か前、同僚に「稲本それどーしたの?」と肘に貼られた絆創膏について質問されました。「ちょっと田中さんに…」というと、同僚は笑いながら「ついてないねー。アンタのこと気に入ってたから甘えてんだよー。」と言うだけでした。同僚の態度に納得いかず、『笑いごとなの?笑えないよ』と感じたことを思い出しながら病室へ向かいました。

病室へ行く前に、憂鬱な気持ちをリセットしようと、女子トイレへ寄って顔を洗いました。それでも『全然笑えない』という気持ちは消えませんでした。病室へ到着し、「田中さん、お待たせしました。どうされましたか?」と田中さんへカーテン越しに声をかけました。

田中さんからの返答がなく、不思議に思ってカーテンを開けると…。私のせいで、患者さんが死んでしまったのでした。

一連の対応が終わったあと、今回の出来事について上司から「…何で?」と厳しい目で問いただされました。「顔を洗いに行っていて…」と答えると、「だから…何で?」ともう一度聞かれました。「眠かったので目を覚ますため…」とうつむいて答えると、同僚からは、「そんなことで遅れる?勘弁してよ…。」「ナースコールで異変を感じるでしょ?ありえない…」と次々に責められました。

今回の出来事は「安全管理委員会にかけるから」と上司から言われて部屋を出ると、「食道静脈瘤破裂でショック死、発見遅れたって…」「3年目でコールも取れないの?」と私の噂をする同僚たちがいました。「次の夜勤、あいつと一緒。気をつけないと…」という同僚たちの横を聞こえないふりをして通り抜けました。

帰宅して、ベッドに入るとふと『私…なんで看護師になったんだっけ?』と疑問に思いました。その理由が「人を助けたかった」からだと思い出しました。次の日もいつもと同じように仕事をしながら、『私には向いてないかも』そう思ったら、少し笑えてきました。

 

【2】に続く

 

【マンガ:小暮さきこ】

漫画家・デザイナー。

2008年に漫画家デビュー。

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原案:坂本綾子(看護roo!編集部)

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