ストーマは愛だ!~ストーマケアに込める愛の物語 |マンガ・ぴんとこなーす【81】

前回の内容はコチラ→[私のトンちゃん~ストーマケアをめぐる愛の物語

何やら浮かない表情のサエコちゃん…。ナスさんのストーマ愛に追いつくことができるのか…?

 

タイトル:ストーマは愛だ!~ストーマケアに込める愛の物語

「ストーマの装具選択難しいです…」と浮かない表情のサエコちゃん。ナスさんが「おっ!どうだ楽しかろ?こう沢山の中から選んでいると、装具選択ってわくわくするよね!」と浮かれた反応をみせると、「悩んでるんです」と強めに言い切られてしまいました。ストーマの装具選択は良くも悪くも外科看護師の醍醐味です。

 

先日のMさんさんは無事に手術が終わり、ICUから一般病棟に帰ってきました。いいストーマを造ってもらえたようです。ナスさんは「わー!いいストーマ!」と歓声をあげます。「そうなんですか?」とピンとこない様子のMさん。まだ、自分のストーマを見るのがちょっとこわいようです。

 

ナスさんは、「ストーマの状態いいので、予定通り術後一週間を目安に抜糸して社会復帰用装具に変更していこうと思います。け…ど…」と、ちょと不安そうにモトヤマさんに確認します。「いいと思うよー、離床できそうなら早めにしてあげて、ケアに参加してもらってね」と応えるモトヤマさん。この人、モトヤマさんは、皮膚排泄ケア認定看護師・通称「WOCの人」。ストーマだけでなく、褥瘡や外傷等院内の皮膚損傷に関するトラブルを一手に管理する多忙な人です。モットーは、「WOCは皮膚を診るだけでなくあくまで看護師、人を診る人」。また、WOCの活動には「看護師の皮膚管理に対する教育」も含まれており、特にモトヤマさんは病棟看護師が自分がいなくても皮膚管理ができるようにという思いが強く…「ケアの方法は(信頼して)任せるからトラブったら(いつでも遠慮なく)連絡してね!(でもきれいに治したいからトラブる前に連絡して!)」というカッコの多いスタンスの人。

 

ナスさんによる、ストーマのケア方法の説明が始まります。基本的には「洗って、切って、貼る」です。しっかりとと立てた泡でストーマ周囲を優しく洗います。Mさんに「おうちではシャワーで体を洗う時に一緒に洗ってください」と話すナスさん。Mさんが「シャワー浴びれるの?」と聞くと「もちろん!」と返します。そしてケア方法の続きへ。『ストーマに透明なフィルムを当てて、周囲5ミリ程度を開けてマーキング→フィルムをマーキング通り切り抜く→装具のフランジ(面板)に型を当ててペンでラインを書く→ラインに沿って切り抜いたら出来上がり!』この手順を聞き、「なんか…学校の工作みたいね…」とMさん。ナスさんも、そう思うと同意しています。

 

「型取りするのが大変そうね…」というMさんに、ストーマの大きさは安定するので、装具が届いたら型通り穴開けちゃって大丈夫、何かあったら…「外来でストーマのプロが何とかしてくれますよ~」とモトヤマさんに振るナスさん。モトヤマさんは「おうちに帰ってもわからないことや不安なことがあったら何でも言ってくださいね。外来でもお会いしますよー(ナスさんもプロなのよー?)」と頼もしいです。そして後日のナスさん。…「てなわけで、Mさんは全身状態も良好だしADLも自立なので、教育係とも検討した結果…」

 

「サエコちゃんに一から社会復帰用装具を選んでもらおうと思います」と発表するナスさん!サエコちゃんは「ひっ…!」と引き気味。重々しく「モトヤマさんに相談してもいいですか…」と聞きますが、「いきなりWOCを使おうとするんじゃないよサポートはするから。まずアセスメントしてごらん」とナスさんが言い…そして冒頭の状況へ。サエコちゃんは「装具の種類が多すぎるんです!」と、劇画タッチで嘆いていますが、ナスさんは「えー選択肢は多いほうがいいじゃない。君だって服やらなんやらは沢山の中から選びたいでしょ?」とへらっとしています。

 

「メーカーやたら多いし」と、分厚いパンフレット集を前に若干やさぐれた様子のサエコちゃん。ナスさんたちの病院で使用しているメーカーが7~8社、さらには単品糸二品糸コロ用ウロ用テープ付き…と種類も多い。さて、ナスさんの解説タイムです。「まずは基本に沿って選ぶ!そこから個人の特性に合わせてとにかく一つ選んでごらん。不正解はあっても正解はないから、それでうまくいかなかったらまた原因をアセスメントしていこう。」それから…と、おもむろに上着をめくったナスさん!お腹には、ナスさんの推しメーカーの新製品が!!「やはり知らねば戦えぬので、サンプルを実際貼ってみるのは装具を知る近道ですぞ」と言うナスさんと、自信がなさそうなサエコちゃん。

 

それからMさん本人が参加してのケアが始まりました。装具のフランジをうまく切れないMさん。切る時は中心から円を描くように切ると切り口がなめらかになる、とアドバイスされます。カット用のハサミについても、病院は専用のものを使っているけれど、自宅では安いものでも大丈夫です。なるべく刃の薄いものが扱いやすいですよ。と説明する看護師さん。

 

そんなある日…。「どうしようナスさん…漏れたみたい…」と暗い表情のMさん。「ねぇどうしよう…なんで漏れたの?家に帰ってもこんな風に漏れるの…?ほんとに家に帰れるの…?」

 

ケアをしながら、ナスさんは言います。「もちろん絶対漏れないとは言いませんが…ストーマはMさんの敵じゃないですよ。これからMさんと一緒に生活していくものです。」退院したあとの外来でもしっかりサポートしていく、と約束するナスさん。「これからどうして漏れたのかまた考えながらやっていきましょう。大丈夫、私たちも一緒にやっていきますよ」。―それから…

 

半年後、Mさんはストーマを閉じることになりました。「…色々あったけど、今はトンちゃんがいなくなると思うとちょっと寂しいわ…」というMさんに、「そう思ってもらえるならきっとストーマも本望ですよ」とナスさんが応えます。そう、たぶん…毎日全力でストーマに向き合う看護師も。(ナスさんの後ろで、サエコちゃんがストーマのパンフレット集を『バババババババババ』と勢いよくめくっている)

 


【著者プロフィール】

ぷろぺら(@puropera44

現役で病棟看護師やってます
ぴんとこなーすをどうぞよろしくお願いします!

Twitter[https://twitter.com/puropera44

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