「このまま管理職を目指すの？」疲労も重なり、転職を考えるように

業務も課題も大変だった前の職場

前の職場について教えてください。

病院附属の看護学校から、そのまま系列の病院に就職しました。

実習で行ったときに一番雰囲気のよかった外科系の病棟を希望して、すんなり配属されて。
実際、先輩もみんな優しかったし、病棟内の人間関係はとても良かったです。

問題は、とにかく残業、残業で、おまけに業務外の課題も山積みだったことです……！

どのくらい大変だったんでしょうか？

たとえば日勤だったら、始業の1時間前から情報収集を始めて、始業後は記録したりするヒマもなく走り回ってて。

定時の17時にやっと椅子に座れて、そこから記録したり、患者さん用の資料作成を始めたりするので、残業するのが当たり前の環境でした。

業務だけでも大変なのに、病棟から出る課題や、プリセプターが独自に作ってくれたテストのための勉強なんかもあって。あれもしなきゃ、これもしなきゃと追われる日々でした。

残業に加えて課題まで…！それはキツそうですね。

とにかく職場にいる時間が長いし、家に帰ってからもずっと仕事のことを考えたり、勉強したり……。

今、振り返ってみると、とても教育熱心な病棟だったなと。

この病棟にいたおかげで、私も看護師として、知識や技術はものすごく身につけられたと思います。

「このペースでは頑張り続けられない」と転職を考えるように

いつごろから転職を考え始めましたか？

3年目になって、「4年目から管理職を目指すカリキュラムが始まる」と聞かされた頃からですかね。

「このままこの病院で管理職になりたいのかな？」って疑問が生まれてきたんです。

どうしてでしょうか？

入職してからずっと、結構無理して頑張ってきたのに、さらに頑張るのか……と思ったら、ドッと疲労を感じてしまったというか。

それまで2年間、毎日あまりにも忙しくて、病院と寮を往復するだけの日々だったんですよ。彼氏とも2〜3カ月に1回くらいしか会えてなくて。

体調も崩してしまったので、気がついたら体重が入職前と比べて7キロも減っていました。

それでこれ以上は頑張れないかなと思って、転職を考えはじめました。

転職したいけど、どうすればいいのかわからなかった

退職はすんなり決まったけど……

転職を思い立ってからは、どう動いたのでしょうか？

3年目の夏頃に、師長に退職したいことを伝えました。

実はそれ以前に一度、申し送りのときに倒れちゃったことがあって、周囲にも体調不良が伝わっていたんです。だからあまり引き止められたりもせず、退職自体はすんなり決まりました。

ただ、師長から「これから給料が上がっていくのに」「これからキャリアを積める時期なのに」と言われたのはつらかったですね。

病院全体の風潮として、「管理職を目指すのが当たり前」「退職者＝落ちこぼれ」みたいな雰囲気があるのを感じました。

地元の求人を探したいのに、やり方がわからない

転職活動はどんなことからスタートさせましたか？

師長に退職を伝えた夏頃から、まずはネットで求人を探しました。

私は地方出身で、当時、東京の病院に勤めていたので、とにかく地元に帰りたいと思っていたんですよね。だから地元の病院を探していたんですが、これがなかなか難しくて……。

病院のホームページを見ても看護師を募集しているのか書いていないし、「いきなり電話で聞いていいのかな？」と、どうしたらいいのかわかりませんでした。

はじめての転職活動では戸惑いますよね。

結局、「看護師　転職　○○（地元の地域名）」みたいに検索して、一番上に出てきた看護roo!に登録しました。

サイトも地域ごとに条件を絞って求人検索できるので見やすくて。

あとナスカレを使っていたので、看護roo!のことは元々知っていたんですよね。信頼感もあったので、流れで登録した感じです。

登録してすぐの電話、頼れるアドバイザーの登場

自信がなかった3年目。キャリアアドバイザーの言葉に救われた

登録後はどんな流れだったんでしょうか？

登録後すぐに電話がかかってきたので、そのスピード感に最初は正直びっくりしました（笑）。

その電話でキャリアアドバイザーに自分の条件を伝えたら、メールで求人を紹介してもらえて、そこからぐんぐん転職に向けて話が進んでいった感じですね。

鬱々としている時期だったので、明るくて対応が素早いキャリアアドバイザーに引っ張ってもらえて助かりました。

鬱々としていたというのは……？

前の病院で感じた「退職者＝落ちこぼれ」みたいな風潮のせいで、辞めることへの罪悪感や、看護師としての劣等感みたいなものがあったんです。

自分に自信が持てなくなってしまっていて、3年目で中途半端に辞める私でも役に立てる職場なんかあるのかな……と不安になるくらい。

でも、キャリアアドバイザーに「3年目で転職する人もたくさんいますよ」「同じ病院で上を目指すだけがキャリアではないですよ」と言ってもらえて、ハッとして。

転職にポジティブになれたんですね。

自分の視野が狭くなっていたんだなと気がつきました。

思えば前の病院に残っているのは、あの過酷な環境で耐え抜いた強い人たちだから、上を目指す風潮なのは当然なんですよね。

バリバリ頑張りたい人には良い環境かもしれませんが、私には合っていないのかなって。

そう思ってからは不安が薄れて、転職に希望が持てるようになりました。

地元で、残業なしで働きたい！

求人を探した条件を教えてください。

第一に、地元で働けること。

それから、とにかく労働時間の長さがつらかったので残業ナシで、課題や研修も少ないことですね。

あと給料が今より高いといいな、できれば雰囲気のいい職場がいいな、と思っていました。

夜勤についてはどう考えていましたか？

日勤のみだと給料が少なくとも50万円は下がるとわかっていたので、夜勤ありで希望しました。

それに私が体調を崩すほどつらかったのは、残業や課題など、とにかく仕事や勉強にたくさんの時間を割かなければならなかったことで、夜勤自体は平気だったんです。

自分のために一生懸命になってもらって嬉しかった

求人探し以外に、どんなサポートを受けましたか？

そもそも初めての転職で、右も左もわからなかったので、面接の日程調整や事前の対策などはもちろん、なにもかもキャリアアドバイザーにリードしてもらった感じです。

とくに助かったのは、応募した病院のひとつに面接前に提出するレポートがあり、その内容の相談に乗ってもらえたことです。

本当に自分が伝えたいことが書けているか見てもらい、客観的なアドバイスをもらえたので、安心して提出できました。

「レポートのアドバイスまでしてくれるんだ！」と驚いたし、何より退職のことで自信を失っていた時期だったので、キャリアアドバイザーが自分のために一生懸命になってくれたのが嬉しかったです。

病棟のリアルな雰囲気を知り、安心して転職先を決定！

最終的にいまの職場に決めたのはなぜですか？

残業など条件面で自分の希望が叶うことはもちろん、病棟の雰囲気が良さそうだったからです。

キャリアアドバイザーから残業の実態や、病棟でどんな人が働いているのかを聞けたので、そこで働く自分の姿が具体的に想像できたんですよね。

転職先の病棟のリアルな雰囲気などは、病院のホームページなどではどうしてもわからないので、転職サポートを受けていて良かったなと感じるポイントです。

それと、給料が思いがけず100万円もアップすることも大きかったです。

残業がなくなり、理想のライフスタイルを実現できた！

転職後の感想

実際に転職してみての感想を教えてください。

前の職場で心身ともに疲れ果てていましたが、今の職場は残業がなく、課題に追われることもない環境なので、かなり体調を整えることができました。

定時で帰れるおかげで時間に余裕ができたら、料理にもトライしたくなって。

それまではコンビニで買ったご飯ばかり食べていたので、「人間味のある生活をできるようになったな」と感じています。

自分のための時間をしっかりと持てる今のライフスタイルは、まさに理想的ですね。

それは嬉しい変化ですね。

プライベートの時間が増えて彼氏とゆっくり会えるようになったので、去年、やっと結婚もできて。

会う時間がないままだったら、結婚もしていないかも……と思うと、本当に転職してよかったです。

設備は古いけど、人間関係が良くて働きやすい

今の仕事で大変なことはありますか？

病院の設備的に古い部分があったり、前の病院とは使う機材が違ったりもするので、時々不便に感じることはあります。

ただこれは転職前から聞いていたので、困った！と思うほどではありませんね。

また、慣れるまでは人間関係に苦労するのかな、と心配していたのですが、同僚が優しい人ばかりだったのですぐに馴染めました。

とても働きやすい職場だなと感じています。

子どもがほしいので、今後は働き方を変えることも検討

今後について考えていることがあれば教えてください。

今の職場で働きはじめてから2年経つのですが、そろそろ子どもがほしいなと考えているので、同じ病院のまま夜勤なしのパートで働くことも検討しています。

やっぱり夜勤をしていると、どうしても体調のリズムが整わない部分もあるので。

出産後の希望などはありますか？

できれば今の職場で、子育てしながら働きたいなと思っています。

でも、状況によってはもしかしたら転職することになるかもしれませんね。

一度転職したことで、仕事と生活のバランスをとるために環境を変えていいんだと学べたし、新しい職場でも自分はやっていけるという自信がついた気がします。

状況に合わせて環境や働き方を変えながら、看護師として長く働けたらいいなと思っています。