「訪問看護師は1人で判断しなくちゃいけないのが怖い…」と不安を感じる方も多いはず。

ですが、現場の訪問看護師が安心できる体制を整えている訪問看護ステーションがほとんどです。

目次

訪問看護師の先輩が、後輩を励ましているイラスト。訪問看護師は1人で利用者さんのお宅に伺いますが、何でも一人で判断する必要はありません。

「訪問先での判断」必要なのはどんなとき?

利用者さんのご自宅など、訪問看護師がその場で対応を考えたり、判断したりする必要が生じるのは、たとえば次のような場面があります。

  • 利用者さんの状態が悪く、予定していた処置やケア内容を変更するとき
  • 利用者さん・ご家族の生活状況に変化や問題が起こったとき
  • 入院や受診の必要がありそうなとき
  • 利用者さん・ご家族に今後のケア方針について相談されたとき
  • 急変のとき、救急搬送の必要がありそうなとき

1人は不安…フォローしてもらえる?

訪問看護師は、訪問先に1人で向かうなど、1人での行動が基本ですが、現場の看護師にすべての判断・責任を背負わせることのないように、多くの訪問看護ステーションでは、次のようなフォロー体制を整えています。

他の看護師に電話ですぐ相談できる!

訪問先から管理者やリーダーに電話をする訪問看護師のイラスト。訪問先で判断に迷うときや自信がないとき、その場ですぐに電話します。

判断に迷うときや自信がないとき、その場ですぐに電話して、管理者やチームの看護師に相談できるようにしている訪問看護ステーションがほとんどです。

むしろ「迷ったら1人では判断しない」をルールにして、「気が引けて連絡しにくい…」ということがないように徹底しているところもあります。

その場での対応が必要なときのフォローだけでなく、複数の看護師でケアの手順書や看護計画を作成・共有するなど、チームで対応するのは病棟も訪問看護も同じです。

また、急変などで医療機関の受診や救急搬送が必要と考えられる場合は、主治医に報告し、指示を仰ぐことになります。

「重大な判断・決定を、現場にいる訪問看護師が1人でしなくてはならない」という場面は、実はほぼありません

スマホの写真で共有できる!

利用者さんの足をスマホで撮影して、ほかの看護師と情報共有している様イラスト。電話だけでは伝わりにくい相談などで使用します。

褥瘡や浮腫、ストーマの状態など、電話だけでは伝わりにくい相談も、スマートフォンなどで写真を撮影して共有できます

利用者さんの記録や処置部分の画像などがどこでも確認できるITツールを使い、効率的に情報共有するステーションも増えてきました。

現場にいるのは訪問看護師1人だからこそ、チーム看護のための工夫も進んでいます。

独り立ちまでは同行訪問で学べる!

OJTの訪問看護師の先輩について同行訪問する訪問看護師のイラスト

訪問看護師になったからと言って、すぐに1人で利用者さんのご自宅にうかがうわけではありません。

まずは、OJTとして先輩の訪問看護師に「同行訪問」をすることからスタートです。

同行訪問での実践を通して、在宅看護の基本や訪問先での動き方を身に付けたり、担当する利用者さんの情報を覚えたりしていきます。

これまでの経験などにもよりますが、1~3カ月間の同行訪問を経て、独り立ちするのが一般的です。新卒や若手の場合は、もう少し長い場合もあります。

地域全体が大きな病棟

訪問看護師は、訪問先では確かに1人。病棟のように、すぐ隣に同僚ナースや医師がいる環境ではありません。

ですが、訪問看護はいわば「地域全体が大きな病棟」。

同じステーションの看護師同士はもちろん、他ステーションの看護師や他施設・他職種とも連携しています。

転職先を決めるときは、フォロー体制について確認しておくと良いでしょう。

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